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2016.2.5
復興住宅に移転したあともレク活動を継続中 しちがはまレクリエーション協会
2015.11.10
被災地を支える人材を育てる活動がスタートしました 岩手県レクリエーション協会
2015.10.10
宮城県女川町、復興の道はまだ続きます。 女川町レクリエーション協会
2015.9.5
新しい生活環境になってもレク活動は継続 しちがはまレクリエーション協会
2015.7.12
気がつけば、47回目の訪問。丸4年が経ちました。 NPO法人福島県レクリエーション協会
2015.6.19~21
第7回東日本大震災仮設住宅訪問 北海道七飯レクリエーション協会
2015.6.13
お腹がよじれるくらい笑って、気分もリフレッシュ! NPO法人岩手県レクリエーション協会
2015.5.21
震災から5年が経過した今、仮設住宅で新たな絆が生まれています 女川町レクリエーション協会所属公認指導者の皆さん
2015.4.14
福島県旧飯野小仮設住宅に5回目の春がやってきました NPO法人福島県レクリエーション協会
2015.3.10
山田町で支援活動が続いています 盛岡市レクリエーション協会
2015.2.21
七ヶ浜町第一スポーツ広場仮設住宅で健康づくりを支援 しちがはまレクリエーション協会
2015.2.20
幼児の運動遊びを南相馬市内の幼稚園・保育園で実施 福島県レクリエーション協会
2015.2.19
レクリエーション講座の学びが、勇気を与えてくれた。福島県立浪江高等学校進路研究部 福島県レクリエーション協会
2015.1.11
「レクリエーションが待ち遠しい。楽しくて、楽しくて。もっと来てほしい」という声に応えたい。 宮古市レクリエーション協会
2014.12.12
レク支援で自宅での生活も変わった! 宮城県レクリエーション協会
2014.12.10
浪江高校の生徒が仮設住宅での支援活動を開始! 福島県レクリエーション協会
2014.12.10
安達町運動場仮設住宅で冬の歌や浪江町にまつわる歌を楽しみました 福島県レクリエーション協会
2014.11.14
レク支援で高齢者が明るくなってきた!山元町「心と身体の元気アップ教室」 宮城県レクリエーション協会
2014.10.27
福島南保育園の運動遊びを支援 福島県レクリエーション協会
2014.10.11
スラックラインやラダーゲッターに挑戦!福島市レクリエーション協会 あそびの城
2014.10.10
宮城県山元町で「心と身体の元気アップ教室」がスタート
2014.9.20
今後の災害に備えて支援者育成と体制づくりを 全国レク大会福島・研究フォーラム「災害時のレクリエーション支援」
2014.9.4
サポートセンターのレク活動が高齢者の健康を維持 大槌町ぬくっこサポートセンター
2014.8.6
安達町運動場仮設住宅で夏の歌やフォークソングを楽しみました。 福島県レクリエーション協会
2014.8.1
愛媛県の防災キャンプにレクリエーション支援の体験学習が組み込まれました。
2014.7.12
北幹線第一仮設住宅での福島県レクリエーション協会の支援活動が毎月続いています。
2014.7.15
宮城県石巻市社協だよりに北海道七飯レクリエーション協会が掲載されました。
2014.7.12
子どもたちが野外活動に挑戦! 効果を検証する試みも開始 福島市レクリエーション協会 あそびの城
2014.7.12
宮城県山元町でレク・インストラクター養成講習会が始まりました。
2014.7.4
浪江高校の生徒が車椅子レクダンスを体験! 福島県レクリエーション協会
2014.6.15
陸前高田市立矢作小学校の親子が遊びに来ました! 遠野市レクリエーション協会 活動レポート
2014.6.14
北海道七飯レク協会が宮城県石巻市で支援活動
2014.5.27
山田町青少年の家仮設団地で健康づくりの支援 盛岡市レクリエーション協会
2014.5.16
浪江高校のクラブ活動を支援 福島県レクリエーション協会
2014.9.4
サポートセンターのレク活動が高齢者の健康を維持
大槌町ぬくっこサポートセンター
震災から3年半経過した大槌町。復興にはまだまだ時間がかかります。
9月4日(木)、岩手県大槌町に住む公認指導者・三浦千秋さんが、吉里吉里地区に設置されている「ぬくっこサポートセンター」でレクリエーションを通した健康づくりの支援をしました。このセンターは、同地区の社会福祉法人堤福祉会が運営の委託を受けており、そこに所属する三浦さんが毎週木曜日にサポートセンターでの活動を続けています。
午前10時、サポートセンターに併設されているグループホーム型の仮設住宅「ぬくっこハウス」や近隣の仮設住宅に住む高齢者7人が集まりました。仮設住宅が設置された当初は20人前後、最近は10人前後が毎回集まります。80歳代以上の方も多く、96歳の方もいます。ここでの活動は毎日体操から始まります。ラジオ体操、大槌町の歌に合わせた体操など3つの体操をしました。みなさん「できるだけ健康でいたい」という思いも強く、最初は1つだったのが、この3年の間に増えていったといいます。
体操の後は、三浦さんが手の運動を始めました。手をギュッと握って、フワッと広げる。「動かさないと固まってしまうから、朝、布団の中でもやってくださいね」と自宅での運動も促しながら、「今度は足の指も一緒に動かしてみましょう」と動作を加えます。
次は、グー、チョキ、パーの動作です。声を一緒に出してもらったり、順番を変えていきます。慣れてくると、「今度は右手を勝たせてください」と考えながらの動作を増やしていきました。
「今日は3年間の成果を見せませんか」と三浦さん。テーブルの上に、グー、親指、人差し指、親指と小指、4つの形を順番に出していったり、左右始まる指を違えての指折りなど、仮設住宅の生活が始まった当初からチャレンジしてきた動作を披露してくれました。「里の秋」など季節の歌に合わせたり、テンポを速くしたり、参加しているみなさんも一生懸命についていき、終わった時は自然に拍手が沸き起こりました。
いつもはこの後、ゲームや歌、身体を動かす活動などを楽しみますが、毎月の月初めの木曜日は季節を感じさせるような物づくりをします。7月はアサガオ、8月ヒマワリなどをつくり、仮設住宅の部屋やサポートセンターに飾りました。今月は満月とウサギなどで十五夜を描きます。和紙をちぎってウサギを作ったり、満月の柔らかさを出すために和紙を揉んだり、ハサミを入れ細かく折ってススキを作るなど、作業療法的な過程にもおしゃべりを楽しみながら取り組んでいました。
帰り際、みなさんが三浦さんに「楽しかった。来週も楽しみにしている」と声をかけていきます。「木曜日は朝から行動が違う」と話すのは、サポートセンター管理者の芳賀美砂子さん、ぬくっこハウス管理者の倉本幹子さん。食事や身の回りの事も早々に済ませ、声をかけなくてもサポートセンターに集まってくるといいます。
サポートセンターでは、木曜日以外の日にもスタッフがレク活動を行っています。毎日サポートセンターを訪れる人もいるので、「毎日やることを考えるのが大変」といいますが、訪れる人たちが「楽しみ」と感じてくれるようになると、顔つきや表情が変わってくるといいます。被災地では、高齢者の介護度や認知症のリスクが高くなっているといった調査報告なども出されていますが、芳賀さんと倉本さんも、「サポートセンターに来れる人はいいが」と、高齢者の健康に違いが出ていることも感じています。「仮設住宅で同じ壁、同じ天井を見るだけの生活は刺激がない。でもそれは、生活環境が大きく変わった被災地では在宅も同じ」と、サポートセンターでは「在宅の高齢者との交流も積極的に進めている」と話します。
サポートセンターのレク活動は、スタッフにも役立っています。ここではスタッフも被災者で、介護などの仕事の経験はありませんでした。しかし、レクを一緒にやることで、高齢者の反応にあわせて声をかけたり、手助けができるようになり、「やってあげよう」という意識ではなく、「やりすぎず、待つことがリハビリにもなる」という感覚も持つことができるようになりました。また、人と話すのも苦手だったスタッフが、コミュニケーションがとれるようになったり、認知症への対応も上手になったといいます。
岩手県大槌町ではこのようなサポートセンターを3カ所設け、要介護認定を受けていない高齢者が利用できるグループホーム型の仮設住宅も併設しています。東日本大震災では、これまでの災害の経験から、小さな仮設団地にも談話室が設けられ、生活支援相談員が配置されてきました。しかし、仮設住宅に住む高齢者の健康づくりを支援するためには、もう一歩進んで、サポートセンターやそこでのレク活動が必要なことを、ぬくっこサポートセンターの取り組みは示しています。