被災地に笑顔を届ける
[笑顔!Again!]プロジェクト
公益財団法人日本レクリエーション協会は、東日本大震災で被災された方たちへ、レクリエーション活動を通して、こころとからだのケアを行うとともに、人とのふれ合いを育むプログラムを実施しています。
また、子どもたちへはあそびやスポーツを通して楽しみながら身体を動かすプログラムの提供を行います。
多くの方々に笑顔をお届けする[笑顔!Again!!]プロジェクト、活動状況はこちら。
2012.3.18 「高齢者を対象としたレクリエーション・ボランティアセミナー」開催
2012.3.13 大船渡市のサロン活動を支援 岩手県レクリエーション協会
2012.2.26 「心とからだのリフレッシュ教室」開催 岩手県宮古市レク協会
2012.2.24 住田町で高齢者の健康づくり 遠野市レクリエーション協会
2012.2.20 仮設入居者に笑顔を 福島市レクリエーション協会
2012.2.11 Vision of the team recrew—震災レク支援のこれから―レクリエーション支援の方向を考える
2012.1.14 カラダが動いてきた! 山田町大沢仮設団地集会所 岩手県レクリエーション協会
2011.10.25~31 あなたに会えて良かった!たくさんの笑顔をありがとう! 笑顔宅急便IN福島(復興支援ボランティア活動報告)
2011.12.16 被災者に寄り添う支援活動をめざして おおさきレクリエーション協会(宮城県)
2011.11.30 一つずつ「日常」を取り戻すために。岩手県大槌町
2011.11.23 南相馬市の子どもたちが「あそびの城」に参加しました。伊達市レクリエーション協会
2011.11.5 17回の活動に553人が参加 遠野市レクリエーション協会
2011.11.12 福島県相馬市で「あそびの城inそうま」が開かれました。
2011.11.6 宮古市レクリエーション協会が高浜仮設団地で「ふれあい健康教室」を行いました。
2011.10.20 大東町レクリエーション協会が陸前高田市で支援活動を始めました。
2011.10.8 仙台市レクリエーション協会の仮設住宅支援が始まりました。
2011.9.18 福島県レクリエーション協会が飯舘村仮設住宅を訪問しました。
2011.9.4 いわて子どもあそび隊が田野畑村「親子ふれあい広場」で活動しました。
2011.8.28 福島民報、福島民友新聞にネイチャー&レクリエーション楽宿の様子が掲載されました。
2011.8.20 仮設住宅に住む浪江町のみなさんと楽しい一時を 福島市レクリエーション協会
2011.8.20 仮設住宅での活動が始まりました! しちがはまレクリエーション協会(宮城県七ヶ浜町)
2011.8.19 宮城県レクリエーション協会が石巻市鮎川地区の避難所で行ったレクリエーション・ボランティアの様子(動画)をUPしました。
2011.8.9 【詳報~その3~】ネイチャー&レクリエーション楽宿の実施状況
2011.8.9 【詳報~その2~】ネイチャー&レクリエーション楽宿を支えたスタッフ
2011.8.9 【詳報~その1~】全日程終了!! ネイチャー&レクリエーション楽宿
2011.8.7 福島県レクリエーション協会 放射線を気にせず、伸び伸びキャンプ!
2011.8.7 宮城県レクリエーション協会 女川町の子どもたちが鬼首スキー場で野外活動を楽しみました
2011.8.6 【速報】ネイチャー&レクリエーション楽宿 第2期終了
2011.8.3 【速報】ネイチャー&レクリエーション楽宿(がっしゅく)スタート!!
2011.7.20 八戸市レクリエーション協会、岩手県野田村でレク・ボランティア
2011.7.17 遠野市レクリエーション協会、柏木平レイクリゾートでレク支援
2011.7.17 陸前高田市立横田小学校の親子が遠野市に遊びに来ました。
2011.7.12 八戸市レクリエーション協会、岩手県野田村でレク・ボランティア
2011.6.29 課程認定校青森県八戸短期大学の学生の皆さんが、岩手県野田村でレク・ボランティア活動
2011.6.05 福島県うつくしま情報局、福島県レクリエーション協会のレク・ボランティア活動を放映
2011.5.28 久慈市レクリエーション協会が全国あそびの日キャンペーン”集まれ久慈っ子 チャレンジ広場”を行いました
2011.11.30
一つずつ「日常」を取り戻すために。岩手県大槌町
井上ひさしさんの『ひょっこりひょうたん島』のモデルとなった蓬莱島や、『吉里吉里人』と同名の吉里吉里という地名のある岩手県大槌町。風光明媚な港町でしたが、その他の東北沿岸と同様に震災と津波で大きな被害を受け、建物の上に遊覧船が丸ごとのっかっているというショッキングな映像で有名になった所でもあります。
人口1万5000人のうち1割近い1300人あまりの方が死亡・行方不明となり、3700戸が全壊または半壊するという被害に見舞われました。
私たちがこの大槌町を訪れたのは、震災から9カ月近く経った11月の末。本格的な雪の季節が訪れる直前のころでしたが、壊れた建造物の解体・撤去作業が終わるまでには、今しばらくかかるだろうという状態。とはいえ、少しずつプレハブの店舗も建ち始めており、復興が芽生える気配が感じられます。
その日私たちが向かったのは、少し山を上ったところにある小槌地区仮設住宅に隣接するエールサポートセンター。町が建設し、行政からの委託で医療法人あかね会が運営している施設です。
チーム・レクルーとしてうかがったのは、盛岡市レクリエーション協会の相馬満枝さんと村上福導さん、そして岩手県レクリエーション協会事務局長の千葉久美子さん。センターに集まっていたのは、要支援1、2の方々ですが、みなさんとても元気な様子で、腕を使ったレクからスタートした相馬さんに、みるみる引き込まれていきます。
「じゃあ次は、片手を前に、もう一方を胸に。前に出した手はグー、胸の手はパーでやってみましょう。はいっ、よいしょー!」
うまくいかず失敗するたびに、おばあちゃんたちの朗らかな笑い声がわき起こります。
見ていて気付いたのは、参加者のほとんどが女性なのですが、みなさんとても身なりをきれいにされていること。服装も髪型もきちんとしていて、お化粧をされている方もいます。実はこれには理由がありました。
「実は私たちは、来てくれた方々の写真を撮るようにしているんです」
そう語るのはエールサポートセンターの菊池多佳子さん。
「撮った写真は、帰りにプリントアウトして渡してあげるんですが、そうすると自然と、きれいにしなくちゃという気持ちになってくれるんです。『次は口紅っこつけてこよう』なんて(笑)」
写真を撮ることには、もう一つ理由があります。
「写真を撮るときは、『はい笑って、ピース!』と声をかけて、ピースサインをしてもらいます。そうすると、不思議と口角が上がって笑顔になれるんです」
確かに写真を撮ると、みなさん撮られなれているという感じで、さっと笑顔を浮かべてくれます。菊池さんたちの写真を撮るというアイディアが、笑顔のリハビリになっているのでしょう。
「それから、釜石のスーパーまでお連れするのも、みなさん楽しみにしています。100円ショップとか、買い物をしながら商品を見て歩く、というだけでも大切なレクリエーションなんです」
この日はこの後、タオルを使ったレクリエーションと、グループに分かれての「スキヤキ・ジャンケン」などを行いました。ベテランらしい巧みな話術の相馬さんと、元気でコミカルな村上さん。みなさん気さくに打ち解けて、おばあちゃんたちからも冗談が飛び出したりと大盛り上がり。帰るときには2人とも握手攻めにあって、まるでタレントのような扱い。「こんなに笑ったのは久しぶりだよ!」「感謝感激だよ!」と声がかかっていました。
おしゃれをする、買い物をする、そして大きな声で笑う。そんな当たり前の「日常」を、被災された方々は、一つひとつ取り戻そうとしています。だからこそ今、笑いを生み出すレクリエーションが果たす役割は大きいのではないでしょうか。そんなことを実感した大槌町訪問でした。