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2013.3.29
川内村で高齢者の交流を支援 福島県レクリエーション協会
2013.3.23
「3.11を振り返る」① 介護予防教室を実施していたことが、震災支援につながった 舘岡百合子さん
2013.3.14
女川町でレクリエーション支援者研修会 宮城県レクリエーション協会
2013.3.9
心配される福島県の子どもたちの体力低下 福島市で子どもたちの支援を考えるシンポジウム開催
2013.2.27
田野畑村での活動がテレビ岩手とIBC岩手放送で放映されました 岩手県レクリエーション協会
2013.2.27
岩泉町小本仮設団地を訪問しました 岩手県レクリエーション協会
2013.2.25
平成24年度 360回を超える支援活動を実施 岩手・宮城・福島県レクリエーション協会の活動状況(見込み)
2013.2.13
浪江町の昔遊び・わらべうたを楽しみました 福島市レクリエーション協会
2013.1.30
女川町でリーダー養成スタート! 宮城県レクリエーション協会
2013.1.22
借り上げ住宅の支援活動が続いています 福島県レクリエーション協会
2012.12.19
陸前高田市で続く健康づくり支援 奥州市レクリエーション協会
2012.10.28
2年目の被災地支援活動が無事終了! 遠野市レクリエーション協会
2012.12.7
被災地で続く健康づくりのサークル活動 宮城県塩釜市
2012.11.30
Vision of the team recrew-震災支援のこれから-自立に向けた支援への期待
2012.11.19
福島市レクリエーション協会の支援活動の様子が福島民報に掲載されました。
2012.11.16
仮設住宅のサークル活動を支援 東松島市ひびき工業団地応急仮設団地
2012.10.28
釜石市鵜住居児童館の親子が遊びに来ました! 遠野市レクリエーション協会 活動レポート
2012.10.21
陸前高田市立広田小学校の親子が遊びに来ました! 遠野市レクリエーション協会 活動レポート
2012.10.17
「笑って身体を動かせる」活動が好評! 釜石市レクリエーション協会
2012.10.1
宮城県女川町とレクリエーション支援の協定を結びました!
2012.10.14
釜石市双葉学童育成クラブの親子が遊びに来ました! 遠野市レクリエーション協会 活動レポート
2012.10.8
みなし仮設支援に向けてスポレク祭開催! 仙台市太白区レクリエーション協会
2012.10.7
釜石市小佐野学童育成クラブの親子が遊びに来ました! 遠野市レクリエーション協会 活動レポート
2012.10.5
Recrew 2012-11月号 Vision of the team recrew-震災支援のこれから- レク支援のなかで音楽を使うことの良さ
2012.9.30
大船渡市放課後児童クラブの親子が遊びに来ました! 遠野市レクリエーション協会 活動レポート
2012.9.23
陸前高田市立矢作小学校の親子が遊びに来ました! 遠野市レクリエーション協会 活動レポート
2012.9.16
釜石市上中島児童館と陸前高田市立横田小学校の親子が遊びに来ました! 遠野市レクリエーション協会 活動レポート(2012.9.9 & 9.16)
2012.9.12
借り上げ住宅の被災者支援をスタート 福島県レクリエーション協会
2012.9.12
安達町の仮設住宅に響く歌声 福島市レクリエーション協会
2012.9.2
陸前高田市立竹駒小学校の親子が遊びに来ました! 遠野市レクリエーション協会 活動レポート
2012.8.28
大槌第5仮設団地集会所で健康づくりを支援! 岩手県レクリエーション協会
2012.6.15~17
七飯レクリエーション協会(北海道)が岩手県の5つの仮設住宅を訪問!
2012.8.23
Vision of the team recrew -震災支援のこれから- 「子どもたちの支援」についての一考察
2012.8.5
大船渡小学校の親子が遊びに来ました! 遠野市レクリエーション協会
2012.8.3
野蒜市民センターの健康づくり教室を支援! 宮城県レクリエーション協会
2012.8.7
ネイチャー&レクリエーション楽宿2012 日本レクリエーション協会
2012.7.21
こどもサマーキャンプin秋田を応援! 秋田県レクリエーション協会
2012.7.18
幼稚園・保育園の室内遊びを支援します! 福島県レクリエーション協会
2012.7.15
被災地の子どもたちが外遊びを満喫! 遠野市レクリエーション協会 活動レポート(2012.6.7~7.15)
2012.7.2
Vision of the team recrew -震災レク支援のこれから- 災害に備えるレクリエーション支援の準備
2012.6.30
女川町復興ふれあい農園でコミュニティづくりを支援 東北福祉大学
2012.6.8
子どもたちを支援する2年目の活動がスタート! 遠野市レクリエーション協会
2012.5.29
Vision of the team recrew -震災レク支援のこれから- 支援の幅を広げる傾聴のスキル
2012.5.16
歌声喫茶を仮設住宅に! 福島市レクリエーション協会
2012.5.2
Vision of the team recrew -震災レク支援のこれから- レクリエーション支援の幅、そして可能性
2012.4.21
小さい仮設住宅で続く元気づくり しちがはまレクリエーション協会
2012.4.15
飯舘村仮設住宅への訪問が続いています。 福島県レクリエーション協会
2012.04.12
Vision of the team recrew -震災レク支援のこれから- 前向きな気持ちを引き出す支援
2013.3.23 「3.11を振り返る」①
介護予防教室を実施していたことが、震災支援につながった
舘岡百合子さん
宮城県七ヶ浜町に住む舘岡百合子さん(しちがはまレクリエーション協会会長)は、震災の2週間後から避難所で健康づくりのための支援活動を始めました。しちがはまレク協会の仲間と分担して町内の避難所をまわり、現在も仮設住宅での支援活動が続いています。
しちがはまレク協会は、震災前から町内で介護予防教室を実施していました。そうした関わりから、舘岡さんは教室に参加していた人たちや避難所で暮らす人たちの様子が、震災直後から気になっていたと言います。しかし、同じ町内とはいえ、舘岡さんの自宅は津波の被害を免れていたため、避難所に赴くのをためらっていました。
2週間が経過しようとしていた頃、舘岡さんは支援の方法を町の保健師さんと相談しに出かけました。その途中、介護予防教室の参加者に会ったそうです。その方は自宅で生活していたのですが、震災で介護予防教室ができなくなり、また外出の機会も少なくなったせいか「膝が痛くなった」と話していました。それを聞いて、「避難所で生活する人たちは、もっと状態が悪くなっているのではないか」と思ったそうです。舘岡さんは、「たとえ5分でも身体を動かしたほうがいい」と考え、エコノミークラス症候群予防などについて教えてもらった東北福祉大学の先生にも相談し、一緒に避難所に行ってみることにしました。
避難所に行ってみると、たくさんの被災者が雑然といる様子に、どうやって声をかけていいのかわからなかったそうです。そんな中、福祉大の先生が最初の声かけをしました。避難所の関係者が「マイクがあります」と言うと、「地声でやります」と断り、「みなさんお身体は大丈夫ですか。少し身体を動かしませんか」と声をかけました。大きい声でしたが、マイクよりも暖かみがあったと言います。その声に顔を上げた人たちの中にも、介護予防教室の参加者がおり、「先生、来てくれたの」という言葉に「気持ちが良くなるから、身体を動かしてみよう」と誘って、マッサージやエコノミークラス症候群予防の体操を始めました。二人、三人と、少しずつ立ち上がり、15分間程度でしたが、最初の支援活動をすることができました。そして次の避難所へ向かいます。「身体を動かすことは積み重ねだから」と一カ所にあまり長居はせずに、町内5カ所の避難所をまわりました。
最初の声のかけ方や体操の進め方の要領もわかり、次の日からは舘岡さん一人で避難所をまわりました。レク協会の仲間も、炊き出しなどのボランティア活動もしていましたが、4日後くらいから活動に加わり始めたそうです。「おはようございます。ごめんなさい、大きな声だすけど、今日も身体を動かしましょう」など、最初の声のかけ方を仲間にも教え、町内の避難所と、そこの一つひとつの部屋を分担してまわっていきました。仲間と手分けをすることによって、一人ひとりは一日おきに支援活動をし、しちがはまレク協会としては毎日(平日)の支援活動を行うことができたそうです。
震災前、町の介護予防事業が活動の核となっていた、しちがはまレク協会。会員も活動のために、身体のことを勉強しにいったり、筋力トレーニングの知識を学んだりしていたそうです。さらに、福祉関係に勤める仲間も多く、定例会では各自の得意なプログラムやアクティビティを教えあうなどしていました。介護予防の活動をしていたことが、被災者とのつながりとなり、支援活動をするノウハウとなっていたのです。
しちがはまレク協会の支援活動は、被災者の暮らしが仮設住宅に移っても続いています。筋力トレーニングの要素を多くしている集会所、交流のためにゲーム的なプログラムを多くしている集会所など、ニーズにあわせた支援を行い、男性に向けてノルディック・ウォーキングをとり入れたイベントを企画したこともありました。
舘岡さんとしちがはまレク協会の活動からは、介護予防に対応する活動が、被災者支援への意識、ノウハウ、ニーズへの対応力をつけていることがわかります。他の地域レク協会では、子どもの居場所づくりに取り組んだことが、早い段階からの支援活動につながった例もありました。今後の災害への備えとういう意味からも、普段からこうした活動に取り組むことの大切さを教えてくれました。