2011.10.20
大東町レクリエーション協会が
陸前高田市で支援活動を始めました。

　津波による大きな被害を受けた陸前高田市。仮設住宅への入居が始まると、閉じこもり防止や介護予防のために、市健康推進課と市社会福祉協議会が連携して、地域ごとに「お茶っこ飲みの会（お茶飲みサロン）」を開催し始めました。10月20日木曜日、大東町レクリエーション協会（岩手県一関市）のみなさんが、そのサロンに伺いました。
　午前は米崎（よねさき）サロンが行われる自然環境活用センター（通称、米崎コミセン）に伺いました。陸前高田市の仮設住宅は、被災した市街地を囲む平地の少ない高台に建てられているため、集会所などがない小規模の仮設住宅が点在しています。そのため、市社協の職員が小型バスなどで高齢者を迎えに行き、コミュニティセンターのような場所でサロンを行っています。米崎地区も8つの仮設住宅から参加者が集まってきました。

　10時、「今日は大東町レクリエーション協会のみなさんが山一つ越えて来てくれました。気仙弁で通じるからね」と紹介されました。大東町レク協会のプログラムは小野寺美智子さんの準備体操から始まりました。手や腕、首、足など、身体をほぐしたり伸ばしたりする動作を、どうすると気持ちが良くなるのか、参加者のみなさんとお話をするような雰囲気で進めていきます。続いて松川栄一さんがハンカチを投げている間に拍手をしたり、足を踏みならしたり、大きな声で笑ったりするゲームをしました。その次は村上睦子さんがグループゲームを、五日市道子さんと松川登美子さんが歌にあわせた運動をするなど、大東町レク協会のみなさんが、それぞれ順番にプログラムをリードしていきました。


　大東町レク協会は6年前から介護予防のためのレクリエーション支援を続けてきました。今回もそうした実績を評価されて、陸前高田市での活動につながっています。どのプログラムもゲームや歌などの活動ですが、身体や心肺機能に働きかけるものでした。

　午後は長部（おさべ）サロンが行われる漁村センター（通称、長部コミセン）へ。ここも長部地区の5つの仮設住宅から参加者が集まり、午前と同じプログラムを行いました。

　このサロンではリハビリ的な運動もやっていたとのことです。しかし「毎回は疲れる、大変だ」という声もあり、レクリエーションを取り入れたといいます。市社協職員の方が、「こういう楽しみながら、笑いながらの運動が高齢者にはいいようです。みんな楽しんでいます」とお話くださいました。長部サロンでは、参加者の方が大東町レク協会のみなさんへのお礼にと、地元の民謡「気仙坂」を歌ってくれました。


　市職員の方によると、仮設住宅では意外に交流がなく、サロンにも出てこない方も少なくないそうです。特に多くの男性に参加してもらうことが課題だそうで、「こうした機会に参加して、少しでも日常で話せる人が増えれば」とのことでした。市健康推進課長の菅野道広さんは、「仮設に移って、閉じこもりや運動不足が大きな課題です。また冬に向かって気持ちが落ち込みぎみになる時期で、こういう支援がますます大事になっています」とお話くださいました。大東町レク協会は毎月、米崎と長部のサロンを訪問する予定です。