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Activity Report

最新情報

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2011年度  | 2012年度  | 2013年度

2014.3.18
大事なのは、いつもと違うところに気づくこと 釜石市平田第6仮設団地サポートセンター

2014.3.18
寒さに負けない。吉里吉里第5仮設団地で健康づくりを支援 岩手県レクリエーション協会

2014.3.14
平成25年度 540回を超える支援活動を実施 岩手・宮城・福島県レクリエーション協会の活動状況

2014.3.8
レク支援によるコミュニティづくりに期待! 宮城県レクリエーション協会・災害支援レクリエーションフォーラム②

2014.3.8
医学的な視点から災害時のレク支援の必要性を確認 宮城県レクリエーション協会・災害支援レクリエーションフォーラム①

2014.3.3
子どもたちへのレク支援③ 外遊びが制限されている子どもたちを自然の中に!

2014.2.20
子どもたちへのレク支援② たとえ一時でも、被災地から子どもたちを連れ出したい。 遠野市レクリエーション協会[恵みの森]自然学校

2014.2.4
高齢者の健康づくりを支援 気仙沼市レクリエーション協会

2014.2.3
「レクリエーションによるメディカル効果」がテーマに 気仙沼地区保健医療研修大会

2014.1.25
福島で子どもたちが安心して遊べる場を提供 福島市レクリエーション協会 あそびの城

2014.1.22
子どもたちへのレク支援① 被災地だけでなく、全ての子どもに楽しく遊べる環境が必要 菊池信太郎さん

2013.1.16
「3.11を振り返る」⑦ 自分たちが雰囲気をつくれば、それが伝わっていく NPO法人宮城県レクリエーション協会事務局長 山内直子

2013.12.21
宮城県女川町で7名のレクリエーション・インストラクターが誕生! NPO法人宮城県レクリエーション協会

2013.12.6
北幹線第一仮設住宅で歌の支援活動 NPO法人音楽の森・荒井敦子さん

2013.12.3
「3.11を振り返る」⑥ 信頼関係を築いたあとに楽しさを提供できる おおさきレクリエーション協会 浅野恵美

2013.12.1
外遊びが制限されている子どもたちを自然の中に! みんなが成長する『ネイチャー&レクリエーション楽宿(がっしゅく)』

2013.11.11
寒さに負けない。大船渡市末崎地区でサロン活動実施 遠野市レクリエーション協会

2013.11.2
七ヶ浜町湊浜仮設住宅でポールウォーキング しちがはまレクリエーション協会

2013.10.30
福島県レクリエーション協会が支援のお礼に阿蘇市の保育園を訪問しました

2013.10.25
「3.11を振り返る」⑤ 少しでも元気になってもらいたいとの思いで活動を続けていた 遠藤節子(宮古市レクリエーション協会)

2013.10.19
東松島市でレク・インストラクター養成講習会 「みやぎ遊学実践塾」開催

2013.10.14
女川町スポーツ・レクリエーション祭を実施 宮城県レクリエーション協会

2013.10.5
女川町でレク・インストラクター養成講習会 「みやぎ遊学実践塾」開催

2013.9.29
飯舘村の仮設住宅での活動が3年目に入りました。 福島県レクリエーション協会

2013.9.26
「3.11を振り返る」 話を聞き、思いを共有するところから支援活動が始まった 特定非営利活動法人 福島県レクリエーション協会 佐藤喜也

2013.9.9
美里町中埣仮設団地でサロン活動を毎週継続 美里町社会福祉協議会・おおさきレクリエーション協会(宮城県)

2013.9.1
大船渡市蛸の浦小学校と赤崎小学校の親子が遊びに来ました! 遠野市レクリエーション協会 活動レポート

2013.8.21
山田町大浦小学校仮設団地を訪問しました 岩手県レクリエーション協会

2013.8.6
飯野町の仮設住宅で支援を継続 福島市レクリエーション協会

2013.8.4
大船渡小学校学区明神前地区子ども会の親子が遊びに来ました! 遠野市レクリエーション協会 活動レポート

2013.7.28
大船渡市、宮の前地区と須崎・浜町・川原地区子ども会の親子が遊びに来ました! 遠野市レクリエーション協会 活動レポート

2013.8.1
女川町で健康づくりを支援 宮城県レクリエーション協会

2013.7.26
東日本大震災と九州北部豪雨災害の支援活動から②

2013.7.7
陸前高田市立竹駒小学校の親子が遊びに来ました! 遠野市レクリエーション協会 活動レポート

2013.6.30
子どもたちを支援する3年目の活動がスタート! 遠野市レクリエーション協会

2013.6.30
陸前高田市立小友小学校の親子が遊びに来ました! 遠野市レクリエーション協会 活動レポート

2013.6.27
東日本大震災と九州北部豪雨災害の支援活動から①

2013.6.10
大東町レクリエーション協会が陸前高田市で支援活動を続けています

2013.6.8~9
七飯レク協会(北海道)が3回目の被災地支援活動

2013.6.2
3年目の活動がスタート!陸前高田市立矢作小学校の親子が遊びに来ました! 遠野市レクリエーション協会 活動レポート

2013.5.26
「身体を動かすこと」と「コミュニケーション」を伴う支援活動を(宮古市河南仮設住宅) 宮古市レクリエーション協会

2013.5.20
減災レクリエーションの研修会が役立った 中塩敬子さん

2013.5.8
安達町運動場仮設住宅の支援活動も続いています 福島市レクリエーション協会

2013.4.20
3年目を迎えた七ヶ浜町湊浜仮設住宅の支援活動 しちがはまレクリエーション協会

2013.4.18
「3.11を振り返る」② 抑えていた気持ちを開いてもらうのにレクが役だった 佐藤淳子さん

2013.4.8
陸前高田市下矢作地区での支援活動を継続 岩手県レクリエーション協会

Activity Report

2013.12.3 「3.11を振り返る」⑥
信頼関係を築いたあとに楽しさを提供できる
おおさきレクリエーション協会 浅野恵美

最新情報

 東日本大震災の発生後の4月から8月にかけて、美里町の南郷体育館は東松島市からの第三次避難の避難所となりました。ここで私たちが始めたのは、お茶セットを持ち込むこと。体育館の一隅につくられた共用スペースで茶筒や急須、湯呑み茶碗、湯こぼし、お盆を広げると、一人、二人と避難している人たちが集まって来ました。「お茶碗で飲むお茶が、すごく美味しい」と喜ぶみなさん。紙皿に紙コップでの食事が続き、陶器の温もりが嬉しかったのか、涙ぐむ方もいました。

 透明なプラスチックのケースにお茶セットを入れて持ち込むと、カタカタと音がして、みなさんに気づいてもらえ、「今日も来てくれたの」と声をかけてもらえます。何日か続けていくうちに、お茶入れもみなさんにお願いするようになりました。すると、それによって〝仕事〟ができ、お茶入れをしてくれる方の友だちも集まるようになり、そこから〝お茶のみ会〟、〝サロン活動〟が始まっていったのです。

 初めの頃のお茶の会では、みなさんが被災直後の体験を話すようになり、それをただただ聴いていました。2週間くらい経つと、避難所の生活が手持ち無沙汰でもあることから、お茶飲みの時に使う「お茶菓子入れ」を作ることになり、折り紙や千代紙を用意しました。「作っていると、いろんなことを忘れて夢中になれる」。作る手は止まらず、他の人たちの分も折り始めました。「何色がいい?」と、楽しそうに尋ねる様子。その当時は、配給されるものは選ぶことはできません。そんな中で、自分の好きな色や柄を選べることは、たかが折り紙ですが、とても新鮮な気持ちにしてくれたようです。こうして被災者の方々と信頼関係ができてくると、もっと動的なレク活動を楽しんだり、仙台大学のレク的な体操などによる支援活動とも連携できるようになっていきました。


玉コンおでんの鍋を囲んで。心も少し和みます。


 子どもたちへの支援も試みました。その当時は学校も始まっていたので、学校から帰ってきてからの学習支援が中心。それでも、最初はちょっとした遊びから始めました。まだ不安な気持ちが残っていて、特に低学年の子どもたちは私たちによくまとわりついてきましたので、じゃれ合って遊んだり、トランプや工作をしたり、スキンシップやコミュニケーションをとった後に、「そろそろ宿題やろうか」という具合です。

 その中でも、絵本の読み聞かせやパネルシアター、ペープサートは子どもたちの気持ちを落ち着かせるのに効果がありました。落ち着きがなかったり、言葉や行動が少し乱暴になっていた子どもも、少人数で膝と膝をつけるくらいの近さで、ゆったりと絵本を読み始めると、現実から離れられるのでしょうか、じっくり話の中に入ってきます。段々とセリフやおまじないを子どもたちに言ってもらい、一緒に物語りを進めていくこともできました。

 こうしたレクリエーションによる支援が、災害時は衣食住の次にくるくらい大事だということをことを、2003年の宮城県北部連続地震で私たちは実感していました。当時は夏休みの時期で、大人は自宅や地域の片づけなどがあり、どうしても子どもたちは避難所に置いていかれます。毎日、隣接する小学校の校庭で子どもたちを遊ばせるうちに、子どもたちは辛いことを口にせずに我慢していること、食事よりも全部を受け止めてくれる人を求めていることがわかりました。そして、避難所での支援は、信頼関係をどうつくるかが大切であることも経験しました。お茶や食事を共にすることはとても有効で、人と人のつながりを作ってくれます。それが先にあって、私たちの技術や楽しさを提供できたのだと思います。


ちょっと聞いて…遊びを通して子どもの心によりそいます。 


 宮城県北部連続地震の翌年には、新潟県中越地震が起こり、私は小牛田町社会福祉協議会の職員として小千谷市に派遣されました。そこでの仕事は避難所でのニーズ調査でしたが、調査票のファイルの後ろに絵本を持って避難所の中をまわりました。絵本を見つけた子どもたちは、「おばちゃん、絵本持ってるの?」とブレーメンの音楽隊のように後をついて来て、避難所となった体育館の舞台横の階段で読んであげました。そうしたことができたのも、宮城県北部連続地震の経験があったからだと思います。レクリエーションによる支援活動は信頼関係の中でこそ生きてくるものです。これからも、被災された一人ひとり、またその地域に丁寧に寄り添いながら支援を続けていきたいと思います。


小千谷市で絵本を読んだ様子が掲載された新聞記事。